浮田哲州「ブラック企業をテーマにした漫画がドラマに」

浮田哲州です。2013年10月~12月期のドラマに、ブラック企業を取り締まる通称"労働Gメン"の労働基準監督官をヒロインにした作品がありました。今の時代を反映した取り組みだったと思います。
上記のドラマは、自身も行政書士で法律のプロである作者による漫画が原作です。
その作者によると、漫画のネタで取り上げたのは、不景気を言い訳に若くて立場の弱い労働者が理不尽な扱いを受け続ける現代の風潮に大きな憤懣を抱いていたからだそうです。そこで、労働基準監督官という逮捕権も持つ"正義"の役人を主人公に置くことで、不当さを世間に訴えるとともに、現実の当事者に駆け込み寺的存在があることを広く知ってもらえると考えたとのことです。
また原作者は、ブラック企業は潰しても構わないという考えをもって、作品づくりをしています。
「嫌ならやめろ」ではなく、「経営者が無能」が正論なのだと。
ドラマ化したプロデューサーも原作者と同様の考え方だったらしく、NOと言える社会のために作品を通じて世間に浸透させるという思いを共有していたそうです。
とはいえ、ドラマの視聴率は他局の大人気作の続編に奪われ、マスコミは主演女優へのバッシング。
世間ではテーマが重すぎると敬遠される向きもあり、原作者やプロデューサーの熱意は残念ながら空回りしています。